【完】初めての恋は――。

「亜美、ありがとうな」


先輩は笑顔でそう言った。


私が大好きな笑顔で。


ヤバい泣きそうにになってきた。




「先輩も、ちゃんと想いを告げてくださいね」


「あー、俺もちゃんと伝えるよ。亜美を見習ってな」


前田先輩はそう言って、私の頭をくしゃくしゃと撫でた。


いつものように。



この仕草は、今の私にはやっぱりきついな。


話を終えると、


「じゃあ、俺もちゃんと気持ち伝えてくるよ」


そういって先輩は私のもとから去っていった。





もういいよね?

充分我慢したよね。


前田先輩が去った後、私は一人で泣いた。


ひっそりと泣いた。


いくら振られるって分かってたと言っても、泣きたくなるに決まってるじゃん。