「おめでとうございます」


小百合先輩が私の側を通るときに手を振り、声をかけた。


気づいてくれるかな?


「亜美~」


先輩も私に気づいて手を振り返してくれた。


とても綺麗で、明るくて、剣道も強くて。


小百合先輩は私の憧れ。





だけど……


自分の中に生まれたどす黒い感情を、慌ててかき消した。


今日、全てに決着を付けるんだから。