知らないあなた



私の名前は「伊藤希美 いとうのぞみ」

南浜西高校に通う高校2年生。



「希美ー。おはよ。」

「咲紀おはよー。」

私の唯一の友達、水野咲紀。

「なーに、憂鬱そうな顔してんのよ。希美。」

「だって新学期でしょ。誰だって憂鬱になるでしょ。」

「んー、まあそうだけどさ。
でさ、新しいクラスに変わった男子いない?」
「私たちのクラスに?んまあ、いるねぇ。窓際の席の…名前何だっけ。」

「希美って本当に無関心だよね、人に。瀬戸内薫 せとうちかおる だよ。」

「…別に関心ないわけじゃないんだけど、持って生まれた感情なの。」


確かに私は人に無関心で興味がない。

今までも…これからもきっと。