この、胸の痛みの正体も。

私の心の中が、太一でいっぱいなわけも。


ぜんぶ。









「どうした、あぃ!なんで泣いてるんだ!?」


悠介が心配そうに、あたしの顔をのぞきこむ。



でも、あたしは返事ができなかった。




……だって。


こんなにも優しい彼氏がいるのに。








……私は。











今は、太一のことが好きなのだから……。