「すごくイライラする」

入部してから3日が経った。

相変わらず、亜鶴葉はあたしをおもちゃ扱いする。

しかもあたしに対して扱いが雑だ。

雑用で働いてるもんだ。

あのドS悪魔!!

よし、今日はどんな感じに下剋上してやろうか…。

「どうしたの、ニヤニヤして」

「あ!彩音ちゃん!」

「美緒、あの部にはいってから変わったね」

変わった?あたしが?

「どういう風に?」

「なんか…心の底から笑ってるみたいな感じ?」

………あたし笑ってるんだ…。

「あ!気を悪くしたらごめんね…」

「別に悪くしてなんかないよ!むしろ、嬉しいよ!」

「ありがと…あまり気にしないようにね?」

「うん…わかってる」

次の瞬間、教室のドアが開いた。

「海濃美緒いるか?」

ゲッ…亜鶴葉じゃん!?

取り敢えず…。

「くらえっ!!」

あたしは亜鶴葉に向けてコンパスを投げる。

だが、避けられる。

「まだまだだな」

うわー見ました?

あのドヤ顔。

あれを毎日されるんですよ?

「美緒!何投げてるの!」

「大丈夫だよ彩音ちゃん、あいつは死なないから」

「え……」

普通ならそういう反応だよね。

この間なんか、楓も一緒にコンパス投げてたからね。

しかもそれで当たらないという奇跡。

「んで何の用ですか?」

「これを渡しに来ただけだ」

「地図?」

渡されたのは部室へ行く道の地図だった。

「え、ナニコレ?」

「お前、三日連続迷ってただろ?」

「あたしが迷う?何に?」

「部室に来るまでに迷子になってただろーが」

亜鶴葉が殴ってくるがあたしは避ける。

「そうだったね~、というか…笑顔で殴ってきちゃダメだよ」

「そう言いつつお前も蹴ってるじゃねーか」

「大丈夫!足には自信があるから!!」

「何の自信だよ」

ヤバイね!

本格的な喧嘩になっちまってるよ!

「一体、何なのかしら…」

彩音ちゃんが一番まともなリアクションだよ。