「笑ってる場合じゃなかった!!」

急がなきゃ!





「ハァ…ハァ…」

息切れが早い。

最近、サッカーしてなかったからかな?

………今はサッカーのことを忘れよう!うん!

「すみません、日常探偵部の顧問の先生いますか?」

「あ?俺だけど?」

「うわぁ!びっくりした…てか恭ちゃんじゃん!」

「誰が恭ちゃんだ」

「ふぎっ!」

恭ちゃんにビシッと叩かれて変な声がでちまったぜ。

彼は樹木修馬 恭助

数学の先生で通称、恭ちゃん。

しかもこの先生はある意味最強…いや最凶かも。

なぜなら特定の生徒の黒歴史を知っている。

実はと言うとあたしも知られている、なぜなら何故かあたしのことを気に入ってるらしい。

「で、何のようだ?」

「はい、これ」

「……ふぅ~ん、海濃…日常部にはいるのか?」

「あい!」

「……まぁ、いいんじゃねーか?あいつらにぴったりだし」

「あいつらって誰?」

「んぁ?部室に行けば分かるから」

「ほへ~ぃ」

「んじゃ、これで廃部はまぬがれたな」

「廃部?」

「日常部はあと一人はいらなかったら廃部だったんだけど、お前がはいったから廃部はまぬがれたんだよ」

恭ちゃんは頭をポリポリかきながら笑う。

取り敢えず、部室に行きますか!

「じゃ、部室に行ってくる!」

「おい!部室の場所を…っていないし…」

あたしは恭ちゃんの話を聞かずに部室に向かった。




「ここどこ…?」

ちゃんと恭ちゃんの話を聞いとけばよかった…。

そういえばあたし、極度の方向音痴だった…。

つか、ここ…旧校舎じゃん!

どうなったらこんなところまで来れるの!?

「Help me!!!!」

「あんた、何してるんだ……」

「アヨー何してる…女の子だ!」

救世主が二人現れました。

しかも世間で言うイケメンだよ!!

「君!名前は?」

「え、あ、海濃美緒…だ!」

「変に強気なんだね…」

何この子!

犬みたいに可愛いではないか!

「楓、帰るぞ…」

「ダメだよアヨ!!女の子を置いていっちゃ」

who!

なんか物扱いされたよ!

「…分かった…」

「で、美緒ちゃんはどうしてここにいて傷だらけなのかな?」

「えっと日常部に行こうとしたら迷子になって…あと傷だらけなのは、こけまくったからです!」

「アハハ、面白いね~」

「楓、こいつ日常部って言った……」

「マジで!?」

「あたし、変なこと言いました?」

二人は顔を見合わせる。

そして犬があたしを見て、にっこりと笑う。

なんですか、その笑顔…。