あたしは無我夢中で走る。

「ハァ…ハァ…イデッ!」

まさかのドアの存在に気づかなくて衝突しました。

そしてドアにあたったおでこを擦りながらドアを開ける。

「彩音ちゃ~ん…」

「美緒どうしたの!?泥だらけじゃない!」

「こけた!!」

あたしはピースしながらニカッと笑う。

「こけたじゃないでしょ、バカ」

「だって~」

「まったく…どうこけたの?」

「えっとね!」

消毒されながら話す。

「まず、何もないところでこけまして」

「それで?」

「水溜まりを踏んじゃって」

「…それで?」

「階段につまずいて」

「……それで?」

「自分の足に絡まってころんで」

「………」

「ドアの存在に気づかなくて衝突!」

「……でしょね…大体予想してたけど」

「さすが彩音ちゃん!」

さすが一番理解してるね!!

「それでその部活にはいるの?」

彩音ちゃんは握りしめてる紙に指を指す。

「うん!」

「具体的に何するの?」

「……さぁ?」

衝動的に持ってきたからわかんないね!

「さぁって……まぁ、美緒だから大丈夫か…」

「そうなのかな?」

「でも美緒、今日で入部届け締め切りよ?」

「………」

ヤバイ…。

「忘れてたのね」

「ちょっくらダッシュしてきます」

あたしは教室を飛び出す。

「ちょっ!美緒!走っちゃダメよ!」

「あぁぁぁぁぁぁ!!」

階段から落ちたました。

「遅かったか…」

あたしは皆に見られながらえへへ…と笑った。