『可愛いな、お前』
あの一言から、
私は彼を意識している気がする。
彼、というのは…
「なにボーッとしてんの。
他の男のこと考えてたりして」
目の前で笑う彼、
この高校の保健室の先生だ。
私は朝早くに、
保健室に来ていた。
「いや、あの、先生…
人が来たらどうするんです?」
「ん…その時はその時だな」
「そんなっ…んっ//」
その胸板を押し返そうとすれば、
強引に唇を重ねられた。
「余計なこと考えるな馬鹿。
俺との時間に集中しろ(ニヤ」
先生はいつだってこうだ。
私が恥ずかしがれば、
その姿を見て妖艶に笑う。
世間一般的にいう、
どSというヤツだ。
なぜこんなことになったのか、
それは一ヶ月前の、
あの日が原因だったのかもしれない。