あたしは恋に落ちると、あたしの全ての否定から始まる。そこから抜け出すのは難しくて一度ハマるとその空間からは出られないような気もする。容姿は生まれもってのものだから仕方ないにしても、話し方、声、表情、仕草、クセ何にしてもああこれじゃだめだと嘆き悲しむ。それは今日にもつながってあたしは好きな人に話しかけることができない。別に、何か嫌なことを言われたわけじゃない。それに言われたとしてもあたしは鏡を見て自分がかわいくないと知っている。ぶすなりの愛嬌はあると思うが。
ぶすのあたしじゃないにしても、世の中にはぶすを好きになっている人もいる。どこがというのは、彼らに対してきっと愚問で、それこそ恋は盲目なのではないか。