(今回からヨウくんの表記を陽にします)

〜美麗side〜

次の日。

いつも通り自分の席に向かうと、ヨウくんはもう席についていた。

私「ヨウくん、おはよ」

陽「zzz」

私「あれ、寝てる?」

陽「…(ぼそっ)ミレイ…」

え?今『ミレイ』って言った?

陽「あ、『ミレイ』…」

そう言うヨウくんは、私じゃなくて他の誰かを懐かしむような目をして私の名前を呼んだ。
何だかどこか遠くを見てるみたい…。

私「ヨウくん?」

陽「っ!ミレイちゃん…ゴメン。寝ぼけてた。」

私「あの…大丈夫?」

陽「あー大丈夫大丈夫。ゴメン、気にしないで!」

そう言って、昨日みたいに二カッと笑っていたけど、あたしには寂しそうで辛そうな笑顔に見えた。


ねぇ、ヨウくん。

あなたが呼んだ『ミレイ』は誰なの?



あなたは一体誰を見ているの?


ほらまただ。

君の事を考えると胸がギューってする。

この気持ちは一体何なんだろう。