また後ろからハスキーがかった、でも男らしい声がした。
振り返ると…
茶髪のチビ。
あたしも170と高いからか、
どーしてもちっちゃく見えた。
「何か?」
「お前の親父か。ちゃんと謝れっていっとけ。」
茶髪チビは偉そうに言う。
…なんか腹立つー
「先にぶつかってきたの、そっちでしょ⁈あんたが謝るべきよ!!」
あたしは『ストバ』からの帰り道、
人目もきにせずに叫んだ。
町からちょっと抜けたところだし
人もそんなにはいなかったし。
「…葵、いいんだよ。僕は大丈夫だから。それよかお前、明日から高校生だろう。早く帰らないと。」
お父さんが腰をおさえながら
フラフラっと立った。
「そ、そーいうことだから。悪いけど」
あ、と頭を一瞬かく。
「いや、悪くないけど、しょーがないからこの辺にしとくわ。」
あたしはいかにも懐かしい台詞を吐いて
茶髪のチビを背に歩き出した。
「おい!」
茶髪チビが叫んだ。多分、あたしに。
ま、無視よね無視。
「…たく。無視かよ。」
「…高校行ったら覚えとけよ。」
ふっと笑って茶髪のチビも自転車をこいであたしたちを背に動きだした。
あたしには茶髪チビの台詞なんて
きこえちゃいなかった。

