桜子の家へ行ったとき、ちょうど一周忌を迎えたと母親が教えてくれた。

話によると、桜子は、幼い頃から病気がちで、入院、退院を繰り返していたという。

そのせいで、学校へはほとんど行けず、勉強もあまりできなかったが、なんとかギリギリで

高校が受かったという。最近は体調もよく、学校へ行くことが嬉しそうだったのだが、

まさかそんな子が、自殺をするとは夢にも思っていなかったそうである。

 帰り道、山本はなんだか桜子の自殺に不信感を持っていた。