「おはようございまーす。」

元気のある声とともに、教室のドアが開いた。

「ホームルーム始めます。席に座ってください。」

生徒たちは渋々席に着いた。


「いきなりすみません。わたしは、3-Bの担任をもつことになった、

 山本芽衣です。先生は、新任で、まだ、学校やみんなのことがわかりません。

 ですので、いろいろと、教えてください。ちなみに私は、理科の先生です。

 よろしくお願いします。あ、そうそう、みんなにも、自己紹介してもらおうかな。

 じゃあ、出席番号1番、田村宏くんから・・。」

「まじかよ。」という声があがり、田村は、自己紹介して言った。

「えーと、最後は、宮田桜子さん。・・・宮田さん?」

「先生!」

学級委員、川村マイが言った。

「それ、一年前の名簿なのではないですか?」

「・・え?」

「・・桜子は、一年前に死にました。」


山本は言った。

「それ、どういうこと?」

マイが言う。

「・・一年前、この学校で、自殺したんです。」


「え、そんなこと・・が?」


「はい。事実です。」


「遺書はみつかり、桜子のハンカチと、血も見つかったんですけど・・死体がないんです

。」


「・・?事件性はないの?」


「は。遺書も、本人が書いたものですし、血痕も本人のモノでした。」


「ねえ、後で、桜子さんの家に案内してくれないかな?」


「・・いいですけど、どうして?」


「かつて、みんなの同級生だったのよ?一応・・。」

「分かりました。後で案内します。」