自分より十歳以上離れた彼女でさえわからないと知り、クリスティーヌはホッとした。

「…クリスティーヌさんは、王子様にお詫びの手紙を書くために買い物をなさるんですね?」

 逸れてしまった本題に話を戻し、ソルティアが言い、クリスティーヌは頷いた。

「うん」

「じゃあ、手紙は誰がお届けするのですか?」

 王宮に送られる手紙は、監視が厳しい。

 お詫びの手紙なんかを庶民が送るなんてできやしないことだ。

「…どうしよう…考えていなかった…」

 今更の問題に、クリスティーヌは困り果てた。

 手紙を出せないなら、書いても意味がない。

「私、実は今度王宮へ行くんです。その時にお出ししてきましょうか?」

 それを聞いて、クリスティーヌはホッとした。

「本当?ありがとう!」

 彼女に礼を言い、クリスティーヌはさっきより少し足早に店へ向かった。