王に愛された女 番外編





 カイルはムッとした。

「…ロッド!」

 そう言いかけた口を、テアンに塞がれたカイルは戸惑った。

 今まで、いろいろな世話役の者を見てきたが、目上の者の口を塞いでくる者は初めてだったのである。

「あぁ、失礼しました」

 カイルの顔色を見たのか、テアンは慌てて手を離し、口籠るように言った。

「…なぜ止めた?」

「いえ、僕をクビにするのは、僕のクイズに答えてからにしていただきたかったので」

 テアンの発言に、カイルはまたムッとした。

 遠回しに言ってはいるが、どうもテアンはカイルをバカにしているように見える。

 カイルは肩を竦め、テアンに話を進めるよう促した。

「もし、王子様が僕のクイズに正解すれば、僕はクビで構いません。ですが、正解できなければ、僕が講師であることを認めてください」

 テアンの交換条件は、拒否する理由が見当たらないものだった。

「…わかった。クイズを出せ」

 カイルが言うと、テアンは嬉しそうに微笑み、口を開く。

「おそらく、王子様は正解できないとは思いますが…」

 その前置きに、またしてもカイルは苛立った。だが、ここで怒れば話は進まない。

 カイルは怒鳴りたい衝動を押さえ、テアンが話を進めるのを待った。