ミィナは疑問に思って聞いた。

「クリスティーヌの抹殺よ」

「じゃあ、王様殺害も、前国王と前王妃をナイフで切ったのも、それでなの?」

 ミィナはさっき母が告げた作戦を思い返しながら確認する。

「えぇ、全て誘導よ」

 母の答えに驚きつつ、ミィナは納得した。

「…でも、なんでクリスティーヌを抹殺する必要があったの?」

 その時だ。

 ドアが開く音が聞こえた。

「ミィナ、今話したことは父さんには内緒よ」

「え?」

「クリスティーヌは、父さんの妹の娘なんだから」

 ミィナは静かに頷く。

「彼女を殺したのは、あなたを王妃にするため。でも、覚えておいて。あなたは最初から王妃になる器だったのだから」

 母がゆっくり小声で言った。

「えぇ、わかってるわ」

「ただ、彼女があなたの邪魔をしただけ」

「私の、邪魔を…――」