――呪いを?誰が、かけるのよ。

 ルーザの右隣のベニーが聞く。

――巫女を呼ぶのさ。昔、ここにいたベルモットが神降ろしをして巫女になったからね。

――刺客は?ルークと、前国王・王妃を殺す刺客は?

 ベニーがまた聞く。

――あたしの息子に頼めば大丈夫。

 あの時の会話が鮮明に蘇り、マリィは頭まで布団をかぶった。

「やだよぉ…」

 どんなに気を紛らわそうとしても、ルーザの冷酷な笑みが浮かんでくる。

「怖い…」

 マリィは呟いた。

 誰か、ルーザ小母さんを止めてよ――マリィは心の中で叫んだ。