王に愛された女 番外編





 イアルは久々に王宮へ足を踏み入れた。

 父に会うために、服もちゃんとした正装だ。

「…父――いや、国王にお会いしたい」

 国王の部屋の前で、イアルは重臣に告げた。

 重臣は銀青の髪が特徴の背が高い男だ。

 国王の右腕と名高い、重臣フィオーレである。

「わかりました」

 彼はそう言って、部屋へ入って行く。

「王様、王様に面会したいと言う物がおるのですが」

「それは誰だ」

 懐かしい声に、イアルの目が微かに潤む。

「王子様――いえ、正確には王宮から追い出された王子様です」

 フィオーレが告げた。

「わかった、通せ」

 国王の返事にホッとしながらイアルは王の部屋へ足を踏み入れた。

「よく来たな、イアル」

 執務用の椅子に座り、何か書類をまとめていたらしい父が顔を上げる。

「そこに座りなさい」