王に愛された女 番外編





 そうなのだ。

 彼女は、クリスティーヌは一般市民なのだ。

 王族たちの権力争いに巻き込まれるべきではない。

 もしカイルが彼女を王妃として迎え、愛を誓えば、彼女はその時点で権力争いに巻き込まれてしまうことになるのだ。

「やめておけ」

 父が鋭く言った。

「何の関係もない少女を巻き込むな。王妃なら、俺が選んだ貴族の娘から選べ。いいな」

 父はそう言って、カイルの脇を歩いて行った。

 カイルは口を真一文字に結んだまま、石畳を見つめていた。