ミィナは王子とロッドのやり取りをただ見ていた。

「ですが、王子様が金髪だとおっしゃったのですよ?」

 王子の顔が強張る。

「けどな、コイツではない。この者を、早く帰してやれ」

 王子が言い、ロッドは恭しくお辞儀をした。

 それから、彼はミィナに向き直り、

「外までお供します」

 と言った。

「結構よ」

 ミィナの不機嫌さはマックスまで達していた。

 靴のかかとを鳴らし、ミィナは王子の部屋を飛び出すのだった。