王に愛された女 番外編




「人違いですから!!」

 クリスティーヌは顔の前で大きく手を振って否定した。

「本当ですか?」

「本当ですってば!!」

 男は訝しげな表情をしていたが、諦めたようにクリスティーヌから離れて行った。

「今の、王子様の付き人のロッドだよ」

 テアンに言われ、クリスティーヌは「やっぱり」と思った。

「ついていかなくてよかったの?」

「うん、何されるかわかんないし」

 クリスティーヌはそう言って、ふとロッドが去って行った方向に目を向ける。

 先ほどのロッドが、ミィナを引き連れてどこかへ歩いていくのが見えた。