王に愛された女 番外編





 父が納得したかのように頷いた。

「え?王族の人に会ったらダメなの?」

 クリスティーヌは思わず身を乗り出して聞く。

「王族の者に会うつもりなのか?」

 父が険しい顔をした。

 クリスティーヌは慌てて首を振った。

「そ、そんなわけじゃないの。ただ、ちょっと気になって」

 クリスティーヌは脳裏に王子の顔を思い浮かべ、心の中で「会いたくないから大丈夫」と繰り返し唱えた。

「そうか。王族の人たちに会ったらいけないのは、何に巻き込んでくるかわからないからだ」

 クリスティーヌは

「そうなんだ…」と呟いた。

「まぁ、会わないなら出かけていいだろう。テアンくんによろしく頼んでおくからな」

 父はそう言って立ち上がった。

 そのまま部屋を出て行く。

「…クリスティーヌ、遅くなってしまったから早く寝るのよ?」

 母はそれだけ言って父の後に続いて部屋を出て行った。