王に愛された女 番外編





「だが、何の目的で行くのかは伝えてもらわないと。ただ、テアンくんはクリスティーヌに聞いてくださいと言っていた」

 クリスティーヌは心の中でテアンを恨んだ。

 何も目的だけクリスティーヌに任せることはないだろう。

「…目的…」

「そうだ。目的があるから、王宮へ行くんだろう?」

 クリスティーヌは頭の中に王子からの手紙のことを思い浮かべた。

 父には到底言えない。王子に手紙Dえ誘われたから王宮へ行きたいだなんて言えるわけないのだ。

「…あ、あのね」

 クリスティーヌは目的を偽ることにした。

「この前、夫婦樹見たじゃない?あの夫婦樹を近くで見たいんだ…」

 クリスティーヌが言うと、父と母は顔を見合わせた。

「夫婦樹見るだけならいいんじゃない?王族の人たちともほとんど接触しないだろうし」

 母がクリスティーヌを指さして言う。

「そうだな」