ロッドから手紙を渡された。

 カイルは差出人の書かれていない鮮やかなピンク色の手紙を開いた。


  先日はとんだご無礼をしてしまい、
  申し訳ありませんでした。
  どうかお許しください。
  クリスティーヌ


 短い手紙にはそう書かれていた。

 出会ったときに思った通り、彼女は誠実な一面もあるようだった。

「…クリスティーヌ、か。ホントにいい名前だな」

 そう呟いて、カイルは首を傾げる。

 女嫌いの自分が、こうもクリスティーヌに執着していることに違和感を覚えたのだ。

「どうかなさいましたか、王子様?深刻なお顔をなさって…?」