「じゃあ、何なのよっ」
男は少し考えてからこう言った。
「通りすがりのヒーロー、かな?」
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・。
「・・・・おい、なんか言えよ」
「ふっ、ふふ・・・」
私は必死に笑いを堪えた。
「っ笑いたきゃ笑えよ!」
「あはははははっ、あは、
あはははははっ!」
何この人、
ヒーローって・・・。
ヒーローって・・・・・・・。
「いくらなんでも笑いすぎだろ・・・。
・・・・・・お前、咲坂高校の生徒だろ?」
男が急に私の通う高校名を出してきた。
私は一瞬驚いた。
「そ・・そうですけど」
「やっぱりな。
送ってってやる」
「え?」
「咲坂まで送ってってやるっつってんだよ」
「なんで・・・ですか?」

