‡第一章‡
「あぁ、神様。」
梨々夏は憂鬱だった。
毎日家族にいじめられ、殴られ、蹴られ。
世界が変わってしまえばいいのに。
世界が消えてしまえばいいのに。
そう考えていた。

そんな時、力が働く。
呪われた様な紅い右目。
それが妙に熱くなり、奇怪で華麗な閃光を放つ。
やがて鞭の形に錬成され、梨々夏の手に渡る。
やがてそれは多大な能力を発揮する。

牡丹の華の様に美しく、
笹の葉の様にしなやかに、真紅の鞭は舞い踊る。