忘れないで





『晴羅!! 聞いてる?!』

うるさい

『聞いてるってよ♪』

『でね!その人マジブサイクでー』

キーンコーンカーンコーン

『あっ鳴っちゃった。続きは後でね♪』


やっと終わった。

私は頬杖をついて、空を見上げた

『空になりたい…』

無意識のうちにそう呟いていた。


『おーい、橘さん』

どっからか声が聞こえた


邪魔しないでよと思いながら、声のする方を見ると
後ろの席の松本君いた


『何?』

少しイラついた顔を隠すため満面の笑みで振り返った。