あいつは呆然。
「…桜の蕾……。」
そう…桜の蕾が俺を守って居た。
俺の目の前には…目一杯広がる銀色の髪。
髪には…バカデカイ桜の花がついていた…。
「…相変わらずの暴れっぷりね…。風花…。」
さくらは…プリンセスの称号である扇子を顔に近づけて言った。
さくら…!!
「久しぶり…。風花。」
「さくら…。」
感動の再会か…
と思いきや…火花散らしてんじゃねぇかよ!!
「風花。親は?」
「知らないわ。沙羅だっけ?救いに来たの?」
「違う。蓮に呼ばれた。」
あ…桜花護符か…。
「蓮。グッドタイミングね。遅れていたら死んでいたよ。」
真顔で言うなぁ!!
まぁ、その通りか…。
確かに…遅れていたら…俺は死んで居ただろう…。
「沙羅を何処にやったの?」
「うふふ…やってみなさいな…。あはは!」
風花は消えた。
「リミットは…五時間か…。」
五時間?!
「何で?!」
「風花は競いたがるの。能力は使えないよ。自力でやるか。私から離れないでね。」
自力で?!
ここ…十階もあるんだぞ?!
今は一階で部屋はたくさんある。
探せるのか…?
「何してんのよ。沙羅を救うんでしょ?私よりも…。」
最後の言葉はかすれて居た。
だけど…俺には丸々聞こえて居た。
やっぱ…言ってやろう…。