「陽萌ー、お昼行こ!」

「私パス…。」



お昼休み、私を誘いに来た晋ちゃんに微笑み返すと、晋ちゃんはまた不機嫌になる。



「朝より顔色悪いよ。大丈夫?」



と言いながら私の額に触れる。

晋ちゃんの手が冷たくて身震いすると、晋ちゃんが溜め息を吐く。



「熱あるでしょ。上がるんじゃないの?」

「たぶん大丈夫だから。」

「陽萌はすぐ無理するから…。キツくなったらちゃんと救護室行くんだよ?」

「うん、ありがとう。」



たぶん行かないけど。行ったら最後、絶対帰される。



「……本当にいいの?」

「うん。」


何度も私を振り返る晋ちゃんを見送ってから、私はデスクに伏せた。


痛すぎて込み上げてくる吐き気。お腹と腰も痛いし。貧血で頭痛くてボーッとするし。

怠いし喉痛いし、節々痛いし。


目だって涙ヤバいし。



「はぁ…。」



最悪中の最悪だ。

そっと目を閉じた。


課長もなんだか素っ気ないし。いや、原因は分かってるんだけど。

誤解を解こうにも会社でそんな話する気になれないし、かといってプライベートの課長は捕まえられないし。


何より…。

(そんなに必死になる意味がない…。)