家に帰って、ご飯を食べて、2人してベッドに雪崩れ込んだ。



「全然太ってないね。」

「まぁ、ハードだったからな…。」



私を抱き締めながらそう言うと、空いた手で私の髪の毛を弄ぶ。

そんな源の胸に頭を寄せた。



「……あのね、源。」



肘をついて体を起こすと、源の顔を見下ろした。


いつまでも避けていられない。
せめて今日じゃなくたって。

そう思わないこともないけど、善は急げ。



「…社長に、聞いたんだ。」



そう言うと、源は思い切り目を見開いた。

そして上半身をものすごい勢いで起こして、正面から私の目を見た。



「私だけじゃない、社内中がその噂で持ちきりなの。たぶん、社長の仕業…。」



そっと目を伏せる私の左頬に、源の右手が重なった。

その手は、震えていた。



「陽、萌…。」

「…私、源の側にいるよ。源を捨てたりしないよ。だって、源を信じてる。」

「…陽萌。」



源の手に自分の手を重ねると、伏せていた目を上げ、源を真っ直ぐに見た。



「…ごめんね、源が話してくれるまで待つはずだったのに…。」

「陽萌…。」



何度も私の名前を呼んで、私を思い切り抱き締めた。

そして、「ごめん」と一言囁いた。