「じゃあ、軽く自己紹介してくれへん?」


普通の家のリビングの机に座らせられお茶をだされた



なんだか普通すぎて逆に緊張する


軽く深呼吸をすると俺は喋りだした



「た…高山正樹、N大学一年生の19歳です、」


「N大学なん?普通やな」


おばちゃん…志村さんはズバリと一言言うとまた俺の自己紹介に耳を傾けた



「ここのバイトを選んだのは…N大学が近くにあってバイトが終わったらそのまま大学に行けるからです」



我ながらだいぶ最悪な理由だが時給3000円と言うよりはましな嘘だろう




「へー!!3000円目当てやないんやな!?」


志村さんはびっくりした顔で俺を見た



実際はそうなのだか言えるわけがない



だから俺は嘘を続行することにした



「はい、金額など気にしていません」



「なら、やめた方がええで」



志村さんは急に厳しい目つきになってそう言った



「………へ?」



「思ったやろ?なんで新聞配達ぐらいで3000円も貰えるんやろって」



あんまりにも厳しい目つきに俺は本音がでた



「まぁ…実際はお金目当てです」


「自分、言うたなぁ!ええで、好きやで!!」


…好かれたくはないと思ったのはここだけの話だ



「ま、ええわ…じゃあ高山くん。なんで3000円もするか教えとくな」


「はい…」



志村さんはゆっくりとした口調で言い始めた