☆ エピローグ ☆



 

あの変革の年から17年後の春。





神前悧羅学院昂燿校に、
真新しくなった制服でもある、
ライラックの燕尾服を袖に通し、
黒のインナーシャツを身に纏った
少年が姿を見せる。






少年の隣に立つのは、
同じく、
同じ年くらいの少年たち。







神前悧羅学院・悧羅校迎賓館。




綾音一族の御膝元に
集結した学院生たちが
順番に姿を見せる。




手には……
学院の封筒を手にして。






「今年度、神前悧羅学院悧羅校にて
 最校総(さいこうそう)を務める、
 伊舎堂裕真(いさどう ゆうま)です」

「今年度、神前悧羅学院悧羅校にて
 最校総の補佐役を務めます。
 三杉光輝(みすぎ こうき)です」

「今年度、神前悧羅学院悧羅校にて
議会進行を務める、
 綾音一綺(あやね かずき)です。

 父に負けぬ采配が出来るよう、
 裕真最校総、光輝の元で精進します」


「今年度、神前悧羅学院海神校にて
 最校総(さいこうそう)を務める、
 高雅大夢(こうが ひろむ)」


「今年度、最校総補佐を務めます。
早谷由毅(はやせ なおき)です」




迎賓館の中、



理事会に見守られて、
ゆっくりと学院お披露目セレモニー前の
就任式を迎える生徒たち。




胸には……
生徒総会メンバーのみに与えられる
学院の勲章をぶらさげて。








「それでは、今年度。

 学院の頂点たる、
 昂燿校を総べる人材を
 紹介します。

 
 理事会の皆さま、
 どうぞ前へ」








進行役が紡いだ途端、
ゆっくりと同じ髪型をした
5人が姿を見せる。






理事長である綾音紫。




その隣には、
今も彼をサポートする
奈良朔彩紫。



そして黒の燕尾服で参列しているのは、
世界的ピアニストとして、
活躍中の理事会の一人、
伊集院紫音。