紫と彩紫が私を訪ね、私の過ちをただしてくれた後から、
学院はゆっくりと生まれ変わり始めた。


今では学院内に紫の声が木霊する。



紫だけじゃなく、生徒総会に連なる
学院の雲上人の声を聞かない日はない。



紫の姿勢は、同級生だけでなく
上下級生にまで浸透していた。





紫の声が聞こえると、
生徒たちは立礼のまま自然と頭を下げて紫に話しかける。



雲上人だから、
頭を下げるんじゃない。



そこに神様がいるから頭を下げるんじゃない。



そこには……心から見習いたいと思える鑑があるから、
憧れるその人がいるから……。



だからこそ、気が付いたら……
この心と共に頭が自然と下がっていく。


そんな風にも映る日々の景色。




そんな光景を見つめている私は、
半年前までのあの状態が今でも遠い昔のように感じられる。



生徒総会が主催する学院の運営を司るための
別名・放課後総会。



この会議にこれまでは一般学生は不参加だった。



でも紫は、お茶会と称して一般の生徒たちを招き入れる。


目指すのは、隔離ではなく解放された空間なのだと
感じてとれた。