紫が最高総に就任して、
半年が過ぎようとしていた。


毎日、毎日神前悧羅の未来を案じて開かれる
放課後総会。



散々悩んでいた紫も、一度吹っ切れてしまうとアイツは、
自分のスタイルを構築していく。





アイツは……日々の学校生活も少しずつ変え始めた。






「さぁ、彩紫行こうか」





制服に袖を通した紫は、バレス寮から学院までの道のりを
ゆっくりと歩いて出掛ける。



その先々で、すれ違い出逢う生徒たちに
率先して声をかける。




そして……話し終わった後にいつもこう続ける。



『今日は貴方と話せて私は満たされました。
 次は貴方から私に声をかけてください。

 最高総は、特別な存在ではありません。

 最高総は学院の生徒一人一人と常に同じ位置に有り、
 共に隣を歩み続ける存在です。

 私を飾りにしておくのは勿体ないでしょう?』





そう言いながら微笑みかける。





紫が始めた小さな小さな革命は、
Palaceの中で広がりゆっくりと学院内に浸透していく。





俺たちは……率先して声をかけて、
リアルの声を拾い上げる。








学校生活の中で埋もれ続けている甲は沢山あった。






部活動の資金問題。


学院内の勉強についていけなくて、
将来設計が描き切れない生徒。


学院に入学した時と、今では経済状況が変わってしまって
退学を余儀なくされている生徒の声。






そんな生徒たちの声の一つ一つを拾い上げて、
紫は寄り添うように、親身になって動き続ける。



部活動の資金問題に関しては、
現状環境の視察と、今後の部活動への投資状況の検討。


投資するに値するかどうかを調査して見極めて、
その上で予算を再度を見直していく。


成績が落ちて、未来が不安な生徒たちには、
自らがPalaceでの勉強会を主催して、その場所に招待する。