「桃原先生いらっしゃいますか」 最悪な気分で、国語準備室に入る。 「お、白石。どうだった?」 この野郎。 人に面倒押し付けといて 自分はコーヒー飲みながら読書ですか。 殴りたい。 「緑川凛ちゃん、入部です」 それを聞いて、やっと本から目を離す。 こっちを向いてニヤリと笑ってから 「ご苦労サマー」 と、まったく労わる気持ちのない 言葉をくれた。