沙都子さんは新谷(あらたや)小学校の教師だ。



新谷小学校には毎年夏休みの始めくらいに新任の教師が来るのだ。



「あっいたいた。」



職員室に入ると丁度新任の教師が荷物を整理しているところだった。



「今回は男かぁ、いいねぇ若い男は。」



「沙都子さん。」



小梅子は苦笑した。



(沙都子さんの男好きは相変わらずだな。)



「ああっ!!小梅子ちゃんいらっしゃい。いつもすまないなぁ、沙都子も困ったもんだ!!」



(小梅子?)



「いやぁはははっ、お父さんも多目に見てよぅ〜。」



「せっかくだから自己紹介したらいい、おい裕太君!!」



「っ!!あっはい!」



新任の教師はこちらに向かって歩いてきた。



「こちらが新任の轟裕太君だ。」



「初めまして、轟です。」



「こちらこそ、あたしは未稀(みき)小梅子です。沙都子さんのお世話?してます。」