~プロローグ~


残暑をすぎると本格的な秋。

山には冷気が立ち込め、霧が谷を埋める。

鈴虫やコオロギが声をきそい、澄んだ夜空には天の川が横たわる。




この明るさの中。

素朴な女神は秋の美しさに耐えかね







静かな笑みを漏らす。





しかしその笑みはさみしそうでもあった。


近づく別れを惜しむそれは。









悲しい笑顔