すべてを話し終えると、場は重い雰囲気だった



「でもな、死んではないってわかってるんだ。
 森で見つけてくれたひとから連絡があって。でも帰りたくないって言ってるらしくて。」


「そうだったんだ。ごめんね疑って。二股とか...」


そこまで桃愛が言うと突然梨李芽の大きな瞳から涙が数滴こぼれ落ちた。


突然のことだった。


「あっごめん、なんか泣いちゃって!大丈夫だからきにしないで」

と焦って言った梨李芽の顔は引きつった笑顔だった。



最近なんかおかしいと感じていた女子4人は気になって仕方がなかった。

ただ、梨李芽は聞いても聞いても絶対口を割らなかった。







それから数日、何事もなく過ごした。

ただ、変わったのは明らかに梨李芽の笑顔が減ったことだった。


それでも、何度聞いても、梨李芽は大丈夫というだけ。


心配になった4人は樹悸のもとへ言った。



「やっぱあいつ...4人にはちゃんとはなさないとな。
 梨李芽の口からは多分一生かかっても聞けないと思うから。俺からでもいい?」


その言葉に4人は頷く。

それを確認した樹悸は

「あれは、梨李芽が中学生の頃...」

と話し始めた。