「詩菴~!詩菴君~!これはどこに入れればいいのさ。」

バスケットボールを片付け中の桜湖と詩菴は体育館倉庫で二人だった。

桃愛と羅那は先生に呼び出しをくらい、その2人を待つため、二人でいた。

詩菴は不意に桜湖を真正面から抱きしめる。

そうしていると、詩菴の首元でカチっという音がした。

咄嗟に詩菴が首に手を当てると、桃愛にもらったネックレスがなくなっていた。


“ソレ”は桜湖の桜色の唇にくわえられていた。

「あ、」返せよ。 と言おうとしたが、桜湖の雰囲気がおかしく、何も言えなくなった。

そんな詩菴に桜湖は言い放つ



「あなたに桃愛を愛する資格なんて...」





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「どこにもない。」

そう呟いたのは梨李芽。

「おかしいな~」

どうしたの?とよってきた樹悸に、僕のケータイ...と言おうとすると、


バタンッ

と楓部屋のドアが開き、やつれた様子のカミーが倒れるように入ってくる。



「桃愛がっ!危ない!!あ、、やとにねら、、、、われ、、ウッ」

そこまで言うとそれ以上は言えずそのまま嘔吐してしまった。

心配して近づいた二人を手でとめ、大丈夫というように頷いた。


「は、、やく理科室、、に」



そう言われた二人は、他のメンバーにも電話をして理科室に急いだ。

しかしそこに彩人の姿はなく、そして、桃愛の姿もなかった。