『う゛っわ、マジヤベー!!』

数々の保名が教室に響き渡る。
その原因は、誰もが考えなくてもすぐにわかるだろう。
そう、学生の敵テストの結果だ。
その絶望的な数字に脱力し、死んだ魚の目をしているのは、
立花 桜湖(たちばな さくらこ)もまた同じだった。

「200点台ってまぢありえねーー!」

「で、さくは結局299点だったのね...。いっつもさくはここぞという時に...」

寮に2人で帰る途中、桜湖は、北里 キャメロン(きたさと きゃめろん)ことカミーにテストの結果報告をしていた。
カミーとは高校の寮に一緒に住んでいる。
部屋は違うが、まるで姉妹のように親しい仲だ。
ちなみに、桜湖は『楓部屋』カミーは『柊部屋』だ。
カミーはハーフで小さい頃から英語と日本語、両母国語を話せるという、桜湖に言わせてみれば、『かなりやべぇ~』的なスーパーハーフだった。

「で、で、で?カミーちんはまた400いっちゃった感じ?」

「495点。まぁ大健闘といったところか。」

「えっーー!」

桜湖は地面にばたりと倒れた。

「大丈夫?」

「ん、サンキューサンキュー」

差し出されたその手を握ってその手の持ち主を見たとたん、桜湖とカミーはあんぐりと口を開けてしまった。

カミーのものだと思ったその手は別の人物のものだった。