カミーのことについて話を聞こうと3人、そして3人から話を聞いたあやめが、咲稀が待っている“柊部屋”へ向かった。

柊部屋につくとまず桜湖が口を開いた。

「ねぇ、咲稀ちゃん、カミーは...」

「うん、なんかね最近おかしいの。それで、なんか知ってるかなって思ったんだけど。」

「咲稀ちゃんはなにか知らないの?」

「あのね...」

そういうと咲稀は一気に話しだした。



...入学式が終わり、咲稀はこれから自分の家となる“柊部屋”に向かった。
ついたその部屋には誰もいなかった。
ただ、1人だけ荷物を置いた形跡はある。
そのそばに誰かのパスポートが落ちていた。

名前はなんていうんだろう?パスポートってことは外国の子かな?

そんな風に期待をふくらませてパスポートの赤い表紙をめくって見るとそこには

“キャメロン・アン・モーガン”“アメリカ合衆国”

と書かれていた。


「で、でもね、カミーちゃんが咲稀たちに自己紹介したときは、
“北里 キャメロンです”っていったんだ。“ハーフです”って。
多分カミーちゃんは咲稀たちにもみんなにもアメリカ人ってことを隠したかったんだと思って。」

咲稀はその時さみしそうな顔をしていた。

「そっか...。咲稀ちゃんありがと。」

そういった梨李芽は咲稀の頭を優しくぽんぽんと叩いた。

「私たちが全部聞くね。その時できれば咲稀ちゃんにも話して欲しいって伝えとくから。」

と桃愛。

「んじゃあ、行ってくる。」

そう言った桜湖の目は深い黒色だった。