恐る恐る振り向く。

愛がため息をついていた。

悪いことしたな…。

でも仕方なく、店を出た。




すっかり疲れた。

フラフラと家路につく。周りはもう真っ暗で、半月の月明かりが街中を照らし出している。

私はふと、昔、この道を通った時の記憶を思い出した。

とても断片的なもので、確定はなかったけど、何故かはっきり覚えている言葉が一つ。

ここを通っていたとき、お母さんがお父さんとケンカしていたんだ。

『今は未来も小さいから仕方ないけど、未来が高校入ったら別れるわよ!』

お母さんが言っていたんだ。

―別れてしまうかもしれないのか―