バタリとドアの閉まる音がしてから、私は立ちあがる。
ふらふらと2階に上がると見慣れた部屋のドアがある。
ここで創られた愛との思い出も、私には、思い出す権利もない―。
「……っ」
埃をかぶったフローリングに一粒、また一粒と、涙が滴り落ちていく。
私は藁にもすがる思いで、泣きながら部屋を漁った。
何か、一つでもいい。
愛が、私の隣にいたことを、私の横で見せたあの笑顔を、
思い出したかった。
「…あった…っ」
私が見つけたのは、ピンクの表紙をした、日記だった。
すぐにページをめくる。
『8月26日、金曜日。
夏休み、帰省していた愛が帰ってくるので、空港まで行った。
内緒にしていたので愛はとても驚いていたけど、久しぶりに遊べて楽しかった。
愛、これからもよろしくね!大人になっても親友だよ!』
日記がどんどん濡れていく。
私は、どうして気付けなかったんだろう。
びしょびしょになった日記を破かないように閉じた。
ふらふらと2階に上がると見慣れた部屋のドアがある。
ここで創られた愛との思い出も、私には、思い出す権利もない―。
「……っ」
埃をかぶったフローリングに一粒、また一粒と、涙が滴り落ちていく。
私は藁にもすがる思いで、泣きながら部屋を漁った。
何か、一つでもいい。
愛が、私の隣にいたことを、私の横で見せたあの笑顔を、
思い出したかった。
「…あった…っ」
私が見つけたのは、ピンクの表紙をした、日記だった。
すぐにページをめくる。
『8月26日、金曜日。
夏休み、帰省していた愛が帰ってくるので、空港まで行った。
内緒にしていたので愛はとても驚いていたけど、久しぶりに遊べて楽しかった。
愛、これからもよろしくね!大人になっても親友だよ!』
日記がどんどん濡れていく。
私は、どうして気付けなかったんだろう。
びしょびしょになった日記を破かないように閉じた。

