朝は、奏と会うのが気まずくて早くに家を出た。
誰もいないグラウンドで、サッカーボールを蹴る。

ちっちゃい頃、よく公園で練習に付き合ってくれたな…
思い出すのは、奏との思い出。
そのたんびに、あの泣き顔が浮かぶ。

「くそっ!!!!」
もう幼なじみには戻れない。
後悔、この二文字ばかり頭に残る…

「あっ…」
夢中で蹴っていたボールをコントロール出来ず
グラウンドの端に転がっていく。

「先輩!朝早くに何やってるんですか?」
ボールを拾ってくれたのは、
広瀬 唯 ひろせ ゆい サッカー部のマネージャーだ。