それを見た瞬間、奏が人の流れに逆らって走り出した。

意表を突かれ、あっという間に人に飲み込まれて行く。

「くそっ!!すみません、通してください!!」

立ち止まって花火を見ている人達を、押しのけ奏の元へと向かう。

「どこへ行ったんだよ…」

探してまわって、長く続いた出店も途切れ
河川敷の端っこに来ていた。