俺の一言で機嫌を良くしたのか、
奏の表情が180度変わった。

「わー!今年も出店凄いよ!優、かき氷!!」

「はいはい、お前走るなよ!!」

人混みの中に入っていく奏を見失わないように
俺も後を追いかけた。

「次はねー、りんご飴食べたいなっ♪」

そう言ってまた人混みに走って行く、
奏を引き止めて小さな手を握る。

「……迷子になると危ねえから。」
ぶっきらぼうに言ったが内心はドキドキしていた。