そんな時、後ろにいたはずの優が気づけば隣にいた。
気合いを入れてアップにした髪を触りながら

「すげー、似合ってるよ。浴衣!」
と、笑顔で言ってくれた。

優の笑顔は魔法だ。
見てるだけで、安心する。

思いがけない褒め言葉に照れながら、お礼を言った。

さっきの何倍も足どりは軽くなり河川敷への道は
いつもより早く感じた。