これ以上、怒らせると口を聞いてくれなくなるから

早歩きに進む奏に追いつき、
綺麗にアップされた髪の毛に触れながら言う。

「すげー、似合ってるよ。その浴衣!」
と笑顔で本心を心の底から伝えた。

すると、今まで口を尖らせていたのに、少し上目遣い気味で

「…ありがとう…」
そう言って恥ずかし気に微笑んだ。

その顔が凄く可愛くて、心臓がドキドキうるさい…
隣にいる奏に聞こえませんように…