そう言って俺の手を引っ張っていく。

会場の河川敷まで近いから、毎年歩いて行ってるのだが…
奏は、少し不機嫌だ。

俺が浴衣について触れないからだな…笑

不機嫌に少し前を歩く奏を、愛おしく想う。
慣れない下駄で一生懸命、早歩きをしている。

俺が立ち止まって、クスクス笑っていると

「馬鹿優!遅すぎ!早くしてよ!」

と、そっぽを向いてまた早歩きを始めた。