そうやって、渚は言うけど俺は不思議とチャンスだとは思わなかった。

だって、その事を知ったら奏は絶対泣くから…
この話が奏の耳に入らないで欲しい。そう思った。

夏祭りまであと、一週間ある。

いつも通り一緒に後ろに奏を乗せて登下校をする。
アイスを食べながら帰ったり、楽しそうに笑ながら坂道で
俺の背中にしがみついてくる。

もし、俺が告白してしまえばこの当たり前はなくなってしまう。
だって、俺はただの”幼馴染み”だから…
気持ちを伝えてしまえば、きっと崩れてしまって
元に戻る事は、ないのだろう。